2015年06月03日
東ドイツ軍装備のすゝめ
サバイバルゲーム・リエナクトメント同好会と名乗っておきながらリエナクトメントらしい事をちっともやっていないのでたまにはこういう系の記事も書いてみます。
実は会長自身は昨年8月の「Military Odyssey」や今年3月に行われた国際大隊様主催の「赤軍祭り」にも参加していたのですが、個人として参加しておりサークルとしての参加はしていなかったので記事を書きませんでした。
さて、最早リエナクトメントか怪しいのですが今日ご紹介するのがこちら、東ドイツ軍装備です!
「東ドイツ軍」と一まとめにしてしまいましたが、東ドイツは正式名称を「ドイツ民主共和国(Deutsche Demokratische Republik)」といい、東ドイツ軍は「国家人民軍(Nationale Volksarmee、略称NVA)」といいます。
国家人民軍は地上軍(陸軍)、人民海軍(海軍)、航空軍(空軍)の三軍で構成されていまして(途中で国境警備軍が入りますが、10年くらいで内務省管轄に戻りました)、今回紹介するのは「国家人民地上軍(Landstreitkräfte der Nationalen Volksarmee、直訳すると 国家人民軍の地上戦力)」の1970年代~1980年代の一般歩兵装備です。
東ドイツ軍は東ドイツが1990年に崩壊したばかりとあってそこそこ多くに出回っているため、リエナクトにもサバゲにもお勧めです。
※この記事では60年代とか70年代とか●●年代と言う呼び方をしますが、それは19●●年代という意味です。
例えば60年代は1960年代、70年代は1970年代を指します。
※この記事は学術的なものでなく、綿密な考察・考証を重ねたものでないので間違いを沢山含んでいます。あくまでも参考程度に考えていてください。
※値段もあやふやです
まあ、一言で言うと
階級章は用意できなかったのでゆるしてください
この微妙な感じは
●ヘルメットStahlhelm
下のはヘルメットカバーです。なんだか足軽の陣笠を彷彿とさせますが、地震用ヘルメットも似たような形をしているものがあるので、もしかしたら上からの衝撃や転倒時の衝撃に強いのかもしれませんね。
結構ライナー(被る場所)のつくりが良くて被りやすいくて着用時に疲れないのでお勧めです。
独特な形のせいで塹壕などに飛び込んだときにヘルメットのふちを引っ掛けて怪我をしてしまう事があったらしく、その対策としてライナーからヘルメット部分が浮き上がっていて外れやすくなっています。
このヘルメットの形自体は第二次世界大戦中の1945年に考案された「M45」を基にしています。
その後人民兵営警察(日本の警察予備隊のような組織で、要は国家人民軍の前身)において「M54」が採用され、それもすぐに改良された結果「M56」というタイプが崩壊まで使用されることになりました。
ドイツ語はほとんど自信が無いので確証は無いのですが、どうやらこの「M56」にも「前期型」と「後期型」があったようです。
「前期型」も「後期型」も国内で6000円以下くらいで手に入ります。海外で買っても3000円くらいなので輸送費を含めるとそれほど変わりません。
なんだったら戦闘・訓練用の鉄製でなくパレード用のプラスチック製でもサバゲーには十分だと思います。
ヘルメットカバーは海外で1000円、日本で3000円くらいでしょうか。
60年代くらいのヘルメットカバーには野戦服の背中部分に繋ぐためのボタンがあるので、それがないこのヘルメットカバーは恐らく80年代くらいのものかと思われます。
※注意
自分は軽いパレード用ヘルメットを使用していますが、これにヘルメットカバーは着けられてもカモフラージュ用ネットは着けられません。取り付けるためのツメがヘルメットのふちに無いからです
ドイツでも夏には蚊が出るらしく、こういう感じで蚊除けが付いています。
●背中と腰周り
オタクなので後ろから撮るのを忘れてしまっていたのですが、背中には背嚢をしょっています
ベルトごとはずすとこんな感じです。
左下からマガジンポーチ、スコップ、水筒です。本当はさらに銃剣が付くのですが、最近は法律が厳しくて輸入できず価格が高騰しているために入手できていません…
マガジンポーチは秋葉原のエスアンドグラフで2000円、スコップは大阪のmashで4000円、水筒は中田商店で500円くらいでしょうか。
そういう店で買わなくてもヤフオクで安く出回っていますし、海外通販もいいと思います(腰周り全部で2000円くらい)
上の大きいのが背嚢です。背嚢にはポンチョを巻きつけることが出来ます。中田商店でベルト+サスペンダー+背嚢でなんと800円(2015年5月現在)の爆安価格で売っています。たぶんドイツ本国の蚤の市より安いんじゃないかと思います。
正直スコップが無くてもこのベルト+サスペンダー+背嚢のセットがあればそれっぽくなるので、そこまで拘らない場合はとてもお勧めです。
というよりここまで重装備をすることはまれで、普段の訓練ではサスペンダー(むしろ着けないことが多い)とベルト、野戦服、略帽だけで活動していたようです。
●ツェルトバーン(ポンチョ兼テント)Zeltbahn
テントにもポンチョにも使えて使い勝手がいいです。労農赤軍(第二次大戦時のソ連軍)の「フラシュパラートカ」を東ドイツ流にアレンジしたものだと思います。
フラシュパラートカが木のボタン止めな上、右手しか自由に使えないと言うかなり原始的な構造(時代が時代なので当たり前なのですが)をしているのに対し、こちらは金属製のボタンで外れにくく両手が自由に使えるようになっています。
一人テントとしても使えますが正直寝れません。
当時の野営訓練ではこれでムリヤリ寝たのかも知れませんが…一応東独にも組み立て式のベッドがありますし、兵・下士官には毛布が、士官には寝袋が支給されていました。
ポンチョとして使用するとこんな感じになります。
結構雨風や寒さが防げます。自分は去年(2014年)の大雪の時はこのポンチョだを上から着て雪かきしたり買出しに行ったりしていました。(もちろんお店の中では脱ぎましたし下は私服でしたよ!)
どれくらい迷彩効果があるかはわかりませんが、今度これで夜戦に出てみようと考えています。
怪しさ満点
ちなみにこれは中田商店で2500円で売ってます。ただ買ってから一年くらい犬の糞みたいな臭いが取れず、一年後に外に晒したり消臭剤撒いたり風呂に一晩つけたりしてやっと臭いが…消えてません、今でもふと臭いを嗅ぐと犬の糞の臭いがします
●野戦服Felddienstuniformen
夏用で(冬はこの上に暖かい野戦服を着る)、脇の下に通気孔が開いています。襟には白い布のカラーを取り付けるのですが、このカラーが意外と国内で出回っていないので自作してもいいと思います。
野戦服自体は2000年代は他の商品のおまけにつけるくらい投売りされていたのですが、中田商店では2010年くらい、エスアンドグラフでは2014年くらいを最後に見なくなりました。ヤフオクではまだ出回っています。
輸入すると3000円~5000円くらいですが、それでも依然として安めなので輸入もアリだと思います。
スタンプが消えてしまったので正確な製造年数はわかりませんが、自分のは多分1980年代くらいに製造されたものだと思います。
サスペンダーはちょっと前までは中田商店で平積み(?)にされていたのですが、第二次大戦時のドイツ軍に転用できるためかもう無くなってしまいました。ただしamazonとかヤフオクとかでは一本1000円くらいで出回っています。
●ガスマスクバッグMaskentasche
60年代くらいまではキャンパス地のものが、それ以降はこれになったようです。
中身は今は海外通販でもなかなか手に入らないのですが、ポーランド人民軍やソ連軍のものが出回っています。
推測ですが防護服もここに入れていたのではないでしょうか。ヤフオクで3000円、海外で2000円くらいです
●手袋
多分本物だと思いますがぶっちゃけ似たような色の軍手でいいです
自分は800円くらいで買いました。
●ジャックブーツ(ソ連軍冷戦期ブーツで代用)Stiefel
ソ連軍のジャックブーツである「サパギー」を代用として使っています。
日本だと東独やソ連に関わらず手に入れようとすると凄い値段しますが(大戦ドイツ軍や日本軍などいろいろな軍隊に流用できるため)、海外なら東独ブーツは5000円から10000円くらいで売っていると思います。
東ドイツではこういうブーツの履き方が少々特殊で、ブーツの中にズボンのすそはたくし込まず、むしろブーツを覆うように履きます。
↑こんなかんじ
長文なうえガバガバな解説で申し訳ありませんでした。東独も昔に比べて簡単…とは言いませんがわりと集めやすいのでお勧めの装備です。
また、崩壊直後に中田商店がコンテナ単位で輸入したので国内に流通自体はしているので、多分探せばそこらへんの古着屋に転がっていたり、ヤフオクで放出されてりしていると思います。
ソ連の傀儡国家だと思われがちな東ドイツの軍隊である東ドイツですが、制服がWW2のものと似ていたり、細かいところに職人魂や拘りと言ったようなものが感じられて奥が深く面白い装備だと思います。
Begleit du uns Genosse!!
ちなみに東ドイツ軍装備、WW2ドイツ軍サスペンダーがあればマブラヴのスピンオフ、「シュバルツェスマーケン」のコスプレに流用できるのです!
あ、自分はシュバルツェスマーケンあんまり読んでないので詳細は挿絵とかを見て判断してください(ゴミオタク)
●おまけ
女性用夏季勤務服
本来はバイザーつきの帽子を被りません(バスガイドさんみたいな帽子を被ります)
白手袋もしないと思いますし、階級章ももちろんつけるのですが買ったばかりなので許して
数百円くらいで買った奴です。サイズが一番小さい奴を買ったのですが、彼が小柄で痩せ型だったお陰かピッタリでした。もうほんっとにびっくりした!
スカートはひざ下位の長さがあり、このごわごわした表面の生地の下に、さらにナイロン製の下地が一層分スカートのようになっています。
左腰の部分にジッパーが付いており、ここを開ける事で着れるようになるのですがそれでもめちゃくちゃ細いです。(よく着れたな…)
着ると言うより被ると言ったほうが正しいかもしれません。(本当はもっとゆったりしたサイズのを着ていたんでしょうか)
追記<2015/09/30
これは1983年?規定の夏服なので、シャツ、ネクタイ、手袋は着用せず、下着の上から直接着るようです。
冬服はジャケットとスカートの組み合わせで、ジャケットは胸にポケットがありません。
僕も彼と一緒に写真を撮ったのですが、テンションの上がったオタクの顔が気持ち悪かったのでここには載せません。弱い。
おわり
この記事へのコメント
女性用夏季勤務服はどこで買いましたか?
Posted by ただのミリオタ野郎 at 2018年03月14日 23:10
返信が遅くなって申し訳ありません。アメリカの軍装屋で買いました。残念ながら名前はよく覚えていません・・・ebayのドイツ版にはまだたくさん出物がありますので、そちらを探されると良いと思います
Posted by 低脳未熟大学サバイバルゲームサークル at 2018年08月09日 07:39